車が大好きな子にとって、自動車工場の見学はテーマパーク!
予約さえできれば、見学は無料だから、チケットが高騰するテーマパークに比べるとお財布にやさしい(工場が遠いと、交通費がかかる)
中学生になっても変わらず、車に夢中なトラ君のために、去年、日産の3工場(横浜・追浜・栃木)を予約して、親子で見学してきた
車の工場見学は人気が高くて、なかなか予約が取れないけど、飛行機(JAL、ANA)の工場よりはまだ取りやすい(JAL&ANA工場見学も行ったので、また別の時に)
工場見学の内容は、車大好きなトラ君はもちろん、車を体の一部と自負するぱんだパパ、そして車とほどよい距離感の私、全員が大満足だった
横浜工場:エンジンに特化したプロ職人「匠」がいる場所
最初に行ったのは横浜工場
横浜工場は1935年設立(日産の設立が1933年)、当時の建物をそのまま使っているので、風情があり、エンジンがたくさん並んだミュージアムも見応えがあった

主にエンジンやモーターなど、車の心臓部の製造に特化した工場で、エンジンの組み立てラインを間近で見ることができる
まず座学で、説明動画を見て、車や工場についての知識を学ぶ
その後、見学者用の札をつけ、専用バスに乗って工場の敷地内に入る
工場内は、写真撮影は厳禁(スマホはカバンの中へ)
工場の建物の入り口からは、クリーンルームを抜けた後に、一列に並んで徒歩で、見学者用スペースを歩いていくと、思っていたよりも、働くロボットや働く人たちのそばに入ることができる
すぐそばを部品運搬用のロボットが通り、ロボットに道を譲ったりして、工場の一員になったような感じ
アームがついた大きなロボットが大きな鉄の塊を持ち上げ、精密に動き、人はロボットと協力しながら整然と作業している
一番の見どころはエンジンを作る場所
特に「匠(たくみ)」と呼ばれる特別に選ばれたプロの職人が、『NISSAN GT-R』のエンジンを全て手で組み上げる、その姿をガラス越しに近くで見れる
身のこなし、手さばき、目力の強さ、「匠(たくみ)」は普通の人とは全く違うかっこよさがある
流れるような動きで、ネジを締めて、自分の感覚で細かい部品を作っていくプロの仕事姿に、むしろ私が釘付け(笑)
完成した『NISSAN GT-R』のボンネットを開けると、エンジンを組み立てた匠の名前が刻印されていて、さっき見た「匠」の「作品」だということがわかる
(↓右上、左:エンジンに「匠」の名前が刻まれている)

(↑右下:GT-Rのエンジンを作る「匠」の4人)
「エンジンを1台ずつ手作りするんだよ。GT-Rは生産できる台数が決まっているから、金額も高いんだ」
車好きのトラ君にとって、「匠」とGT-Rの関係は常識みたいだ(笑)
エンジンやモーターをつくる横浜工場には3,000人以上が働いています。その中でGT-Rのエンジンをつくることができる「匠」はたった5名!
(Q)GT-Rのエンジンは1日に何台できるの?
(A)全自動ではないので、大量生産はできません。1人で1台のエンジンを組み立てるために必要な時間は、3時間30分くらい。1台1台ていねいに組み上げているので、1日に平均して8台位つくっています。
追浜工場:車が一台になるまでの全工程
次に訪れた追浜工場は、車の組み立て全体を担当する工場
シャーシ(骨組み)から始まり、窓・ドア・シート・エンジンなど、あらゆる部品が順番に組み込まれていく
ライン上を流れていく未完成の車が、少しずつ完成していく
受注生産だから、1台1台、車の色や部品が違う
車体がベルトコンベアを流れ、ロボットが1台1台に合わせたドアや車内の部品などを運び、人がはめ込んでいく
ロボットを使いつつ、意外と人が手作業で組み立てていくことに驚いた
ロボットの正確な作業と、人の手による連携、最後は完成車にドライバーが乗って、走り出す瞬間は見ていてわくわくした
栃木工場:高級車を生み出す工場
秋に訪れたのは栃木工場

フェアレディZや、GTRが生産されている工場で、敷地内に止めてある車も高級車ばかり
バーチャルシアターで塗装について学んだり、工場内にバスで入り、徒歩で工場内を歩きながら、最新式の設備で車が組み立てられていく過程を見た
横浜工場で「匠」が手で作ったエンジンが、栃木工場で『NISSAN GT-R』の心臓部分にはめこまれ、車が完成する
横浜工場から、栃木工場まで、つながった瞬間だった
(↓右上:GT-Rの完成品の展示でメーカー希望価格は1,558万円)

(↑左下:GT-Rのスピードメータ、最高速度が340キロ!、右下:GR-Rの完成品)
トラ君は、GT -Rがどんな車か、何が他の車と違うかを説明してくれた
🚘 三つの工場の違い
ざっくり表にまとめてみた(かなり、私の主観 笑)
| 工場 | 生産物 | 見どころ |
|---|---|---|
| 横浜工場 | エンジン・モーターの製造 | 「日産エンジンミュージアム」、匠の実演が見ることができる |
| 追浜工場 | ノート、リーフなど小型車とEVの工場 | 生産技術を確立する場所、車が形になる工程を見ることができる |
| 栃木工場 | スカイライン、フェアレディZ、GT-R など高級車の生産 | 工場のあちこちに、高級車が並んでいて圧巻 |
大人が夢中になる工場見学
車の工場見学は、どちらかと言うと、話も専門的で、大人の私(車にそこまで興味がない文系女子)にとって、初めて聞くことが多く、おもしろかった
小学生の社会科見学もある(チタちゃんは小学校の社会科見学で日産工場を見に行って、トミカの日産車をもらって帰ってきた。トラ君はとても楽しみにしていたけど、コロナで社会科見学が中止になり、残念がっていたっけ)
子供用の見学日もあるけど、車オタクのトラ君は「もちろん、大人の日でよろしく」と言われ、3工場とも大人用のプログラムに申し込んだ
工場見学に来ている人たちは、車が大好きそうなオタクたち、のんびり楽しみたい老夫婦や車好き親子連れ、そして競合他社から来ているっぽいスーツ姿の人たち(笑)だった
ものづくりの真剣さ、高い技術、日本の高度成長を担ってきた製造業の底力
それを、肌で感じることができた貴重な時間だった

(※追記 2025年7月15日、追浜工場(従業員約3900人)、湘南工場(約1800人)の生産を終了する、というニュースが流れました。
栃木工場、追浜工場、横浜工場は2025年9月から工場見学は休止、再開は調整中だそうです)
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